●英ポンド/円相場は、136~138円水準のレンジ上限を試す展開になっている。英経済に関しては特に目新しい材料が見当たらない中、円サイド主導の展開が続いている。過熱感が指摘されながらも、安倍政権下で日本銀行の緩和姿勢が強化されるとの見方が円相場を押し下げており、それは対ポンド市場でも例外ではない。ポンドは今年の最高値を更新する展開が続いている。
●21日に発表された英7~9月期国内総生産(GDP)は前期比+0.9%となり、改定値の+1.0%から下方修正された。個人消費が+0.6%から+0.4%まで大きく下方修正されており、3四半期連続のマイナス成長には終止符を打ったものの、本格的な景気回復は依然として難しいことが確認できる。しかも、この期はロンドンオリンピックという特殊要因の影響が大きく、その後は再び成長鈍化圧力が強くなっていることが確実視される。しかし、11月の英インフレ率が前年比+2.7%と高水準が続いているため、追加緩和のハードルは高く、特にポンド売り圧力が本格化するような動きは見られなかった。
●一方、円サイドでは安倍政権の発足に伴い、改めて日銀の緩和期待が強くなっている。1月にインフレ目標の修正が無い場合には、日銀法改正も視野に入れていることが明らかにされており、マーケットは安倍政権の本気度を確認した形になっている。ドル/円は85円の節目を突破したが、まだ目標達成感は乏しい。引き続き円主導でポンド買い・円売りが優勢の展開が続く見通し。
●今後1週間の予想レンジは、136.00~139.75円。